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第8作 男はつらいよ『寅次郎恋歌篇』

第8作
田舎町の芝居小屋で一座とのふれあいから話が始まる。
座長役の役者は、このあと続くシリーズで
夢のシーンの悪役として定着することになる。
雨の中、番傘で寅さんを宿へ送るシーンがいい。

まだまだヤンチャ盛りの寅さん、
柴又へ帰る早々、ひと騒動あって旅に出る。
「ハハキトク スグカエレ」
博が母の訃報でさくらと共に高梁へ。
葬式の当日、ひょっこり寅さんが
旅先から駆けつける。

今回のマドンナは帝釈天前に越してきた
喫茶店のママ、貴子(池内淳子)。
ゴ~ン!
出会いのシーンで響く鐘の音が効いてる。
貴子のおくれ毛をかきあげるしぐさがいい、
そこに女ひとりで生活を支えてるシズルがある。
フラれたわけでもなく、
歩いてる道が違うと悟った寅さん、
マドンナの前から去っていく、大人な対応。


【寅鉄】
葬式終えて、そのまま博の実家に居着いてる寅さんが
博の父と夕飯の買い出しに。
そこへ蒸気機関車が煙を上げて走ってくる。
(私の義弟の実家がここにある。)

【日本の原風景】
酒屋で手に入れた一升瓶を手にした寅さん。
店の看板や佇まい、荷を積んだトラック、
小さな石橋、ここに昭和がある。

【好きなシーン】

ひろしちちととらさん
「人間は一人じゃ生きていけない…
 運命に逆らっちゃいかん…
 そこに早く気づかないと…」
博の父が信州を旅していたとき感じた
人としての営み、幸福感を寅さんに説く。

【好きなシーン】
マドンナに別れを言うこともなく
とらやに戻るや旅じたく始めた寅さん。
さくらが言う、
「一度はお兄ちゃんと交代して
さくらはどうしてるかなぁって
心配させてやりたい…」
この会話がいい。
トランク提げて商店街を歩いていくシーンが切ない。
呼び止めるさくらの声を
冷たい風の音が遮る。


【ラストシーン】
辛いこと、哀しいことがあっても
最後のエンディング♪がいつも救ってくれる。


【オイちゃん】
morikawasin
「オリャしらねぇ~ョ」
「ばかだねェ~」
落語を聴いてるような物言い。
寅さんが地味に見えるくらい。
そこにいるだけで笑わせてくれて
ホッとした気分になる。
残念ながらこれが
喜劇役者、森川信の遺作となった。

(1971年12月公開)



テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

tag : 男はつらいよ 寅さん

第7作 男はつらいよ『奮闘篇』

第7作
雪深い北国の駅、集団就職で上京する金の卵たちと見送る家族。
NHKのドキュメンタリーのようなシーンから始まる。
今回のマドンナは障害をもつ花子(榊原ルミ)。
花子が江戸川の土手で寅さんと将来を語り合う。

【寅鉄シーン】
今では見ることのできない
窓から身を乗り出して
会話したり駅弁を買ったりしていた。


【傑作シーン】
とらや店頭おいちゃん

「…やぁ寅さんお帰りって肩を叩いてやると
 あの寅のバカ野郎、大喜び」
オイちゃんが寅さんをまねて
とらやへ帰ってくる様子を
面白おかしく再現してるところへ
寅さんが帰ってくる。
さくらの顔色から
寅さんの気配を察したオイちゃん。
「ん…?」
この間は役者、森川信の真骨頂。


今作の脇役は芸達者が揃っている。
第2作で登場した寅さんの母親役のミヤコ蝶々。
蕎麦屋でなくてラーメン屋店主役の柳家小さん。
駅前交番のお巡りさん役の犬塚弘。
花子を子供の頃から見続けてきた学校の先生役の田中邦衛。

(1971年4月公開)

テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

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第6作 男はつらいよ『純情篇』

第6作
旅先でテレビを見ていた寅さん、
画面には御前様、オイちゃん、さくらが映っていた。
思わず赤い公衆電話でとらやにかける。
今作のテーマは、故郷。

長崎から五島へ向かう寅さん、
赤ん坊を背負った母子を助けることから一夜を共にする。
その若い母親、絹代役が宮本信子。
「あんたそんな気持ちで俺に…。」
「…オレはその男を殺すよ…。」
ひとときの流れの中で
寅さんが若い母親に向かって言うシーンがいい。
五島に住む絹代の父親役が森繁久彌。
里心に火のついた寅さん、五島から柴又へまっしぐら。
そこで寅さんの部屋を間借りしていたのが
マドンナ夕子(若尾文子)。

【好きなシーン】
柴又駅わかれ

「ねぇお兄ちゃん…
 せめて正月までいたっていいじゃない」
「そうもいかねぇよ…
 世間の人がコタツにあたってテレビ見てるときに
 声を枯らして物を売らなきゃならねぇ稼業なんだよ」
観客としても不憫な寅さんに、
わざわざこんな寒い夜中に出て行かなくても
ゆっくりしていけよとさくらと同じ思い。
電車のドアが閉まる別れ際、
さくらが自分が着けていたマフラーを寅さんに巻きつける。

寅さんシリーズで柴又駅での別れがいくつかある中、
この第6作『純情篇』さくらとの別れと
第28作『寅次郎紙風船』光枝との別れ
好きなシーンです。

(1971年1月公開)



テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

tag : 男はつらいよ 寅さん

第5作 男はつらいよ 望郷篇

第5作 望郷篇
前半は今際の際で一目、
わが子に会いたいと願う
父と子の哀しい話。
後半はおなじみマドンナに
惚れてフラれる話の二本立て。
そのマドンナはテレビ版『男はつらいよ』の
さくら役だった長山藍子。
それもあってか寅さんとも息があってて
お似合いに見えた。


【寅鉄シーン】
世話になった親分の息子を探し訪ねてゆくと
蒸気機関車の機関士をやっていた。
ぎんざん
(会うことを拒む息子を追いかけて銀山駅のホームにたたずむ寅さんと登)

「息子は転勤していなかったと
 そう言ってください」
疎遠だった実の父親の臨終に立ち会うことなく
立ち去る青年。
その理由はあまりにも哀しい。
そこで寅さん自身も
渡世人としての生き方を自省する。

【好きなシーン】
じてんしゃ寅
望み通り汗と油にまみれて働く寅さん。
マドンナの実家の豆腐屋を継ぐことになったと
勘違いしたまま鼻歌まじりで自転車に乗って走り回る。
そんな有頂天の寅さんに
「地道に暮らしてね、飛躍しちゃだめよ」
破綻を予感したさくらが釘をさす。
ここの昭和感たっぷりの町の風情がいい。

(1970年8月公開)








テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

tag : 男はつらいよ 寅さん

第4作 新・男はつらいよ

第4作
競馬で大穴を当てた寅さん。
そのお金でオイちゃん、オバちゃんを引き連れて
憧れのハワイ旅行へ。
町内あげての壮行会、
万歳三唱で羽田へ向かう。

【日本の原風景シーン】
茶屋
峠の茶屋を営むおばあちゃんに
孫から届いた葉書を郵便局員が代読する。
目を覚ました寅さん、
聞きながら柴又の家族を思う。

【傑作シーン 1】
とらやしゅっぱつ
ヨソ行きのオイちゃんに
美智子様のような帽子まで被って
お粧ししたオバちゃん、
オリンピック選手が着るような
胸に日の丸のエンブレムの
白いジャケットを着た寅さん。
1ドルが360円の頃、
海外旅行は庶民にとっては夢だった。
商店街のみんなから餞別をいただき
万歳三唱で盛大に見送り出される三人。

【傑作シーン 2】
おいちゃんとらさん
「なぁオイちゃん…悲しい恋愛小説なんて知らねえかな」
寅さんのリクエストに応えて
オイちゃんが婦系図を
迫真の演技で聴かせるうちに
二人は手に手をとってオイオイ泣いている。
ここは寅さんに負けないくらい
オイちゃんは笑わせる。
この二人は同じ空気を持っている。


【マドンナシーン】
(スケッチ/栗原小巻)
画面の中にこの人がいると一気に華やぐ。
コマキストという言葉もあったくらい
この頃の栗原小巻は可愛い。
中学生の頃、TBSのドラマ『三人家族』で
会いたくても会えない竹脇無我とのすれ違いを
悶々としながら見ていた。

【ラストシーン】
(車内シーン)
九州を旅する寅さん、
湯布院あたりを走る車内で
とらやに入った泥棒に
一万円札を渡して帰ってくれと頼んだ話に
乗客たちが大笑い。

【寅鉄シーン】
(由布岳をバックに蒸気機関車が走る)
由布岳をバックに久大線を蒸気機関車が
煙を吐きながら向かってくる。

(1970年2月公開)

テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

tag : 男はつらいよ 寅さん

第3作『フーテンの寅』

第3作
寅さんがお見合いをすることから話が始まる。
旅先で出会った、山水館の加代じゃなく、
もみじ荘の志津(新珠三千代)が営む旅館に
番頭として居着き、騒動が起こる。


【寅鉄シーン】
きかんしゃ

長野 恵那山をバックに煙をもうもうと吐きながら
蒸気機関車が走る。
木曽 奈良井宿の旅館で目を覚ます寅さん。
ここで出会う若い女中が
今年9月に75歳で亡くなった
名優、悠木千帆(樹木希林)。

【傑作シーン】
とらやちゃのま02

茶の間での団らん、
縁談話をもちかけられた寅さんが
好みのタイプを訊かれて、
「…贅沢は言えねえよ…しいて言えば、
気立てが優しいってこと…」と謙虚な一言から始まり
理想の嫁さん像を滔々と語り始める。
周りはだんだんと呆れ、ひいていく。
このシーンの一言一句、間、
まさに落語です。
寅さん、オイちゃん、オバちゃん、博、
四人のやりとりに笑わされる。
ここに、さくらがいないのが寂しい。


【傑作シーン】
三重 湯の山温泉の旅館に
番頭として居着いた寅さん、
宴席から声がかかれば張り切って余興もこなす。
ただ残念ながら志津の寅さんへの思いは
冷たすぎるくらいにない。

【ラストシーン】
せんじょう
「四谷赤坂麹町〜」
「ちゃらっちゃら流れるお茶ノ水〜」
「粋なネェちゃん立ちションベン〜」
旅に出た寅さん、鹿児島から種子島に向かう船上で
周りの乗客たちにタンカ売の口上を手ほどきしている。
桜島をバックに終のタイトル。

(1970年1月公開)

テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

tag : 男はつらいよ 寅さん

第2作 続・男はつらいよ

第2作
寅さんがマドンナ/夏子(佐藤オリエ)に連れられ
別れた母(ミヤコ蝶々)を訪ねていく。

【寅鉄シーン】
(三重県 柘植駅を発車する蒸気機関車)
別れた母と再会した夢をみている寅さん、
蒸気機関車の汽笛で目が覚めるところから
ドラマが始まる。

【好きなシーン】
たんか売

【寅酒シーン】
やきにくや
入院中の病院から抜け出し、
焼肉屋で登との呑み。
二人とも持ち合わせが無く、無銭飲食で警察沙汰に。

「角は一流デパートでください、ちょうだい、いただきますと…
700が600は下らない品物…
500が300、200が50…
えいッ持っていきやがれこの乞食野郎!
胃痙攣で入院した寅さん、
患者たちを集めてタンカ売の極意を説く。
寅さんの真骨頂。

【ラストシーン】
らすとしーん
夏子が新婚旅行先の京都で
偶然、寅さん親子を見つける。
もうこの二人は一生会うことはないだろうと思える
残酷な再会だったのに、
「寅ちゃんはお母さんに会っていたのよ…お父さん」
夏子が安堵と不安の入り混じった表情で
遠くから二人をじっと見つめて
亡くなった父親へつぶやく。
寅ちゃんと呼ぶ夏子の目線は最後まで優しい。

寅さんに声をかけることもなく
西へ向かうマドンナ夫婦と
そうとはを知らずに東へ向かう寅さん親子の
三条大橋での出会いと別れ。

寅さんとお母さんの出会いにくすぶっていたものが
このラストシーンで晴れ、ほっとさせてくれる。
鴨川の水が二人の間にたまった澱のようなものを流している。


(1969年11月公開)

テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

tag : 寅さん 男はつらいよ

第1作 男はつらいよ

中3の夏休み、『男はつらいよ』第1作を
倉敷東映で初めて見た。
来年、50周年を迎えるということで
またまたBSジャパンで放映が始まった。
さくらが若い!可愛い-!
ヒロシも、カッコイイ!
御前様もシブい!
寅さんはじめオイちゃん、オバちゃん、タコ社長も
今となっては自分よりも若い。
また一年、楽しめる。

記念すべき第1作、
20年ぶりに柴又に帰ってきた寅さん。
久しぶりの妹さくらとの対面、
さくらとひろしの結婚、マドンナへの片思い。
風のようにふらっと、柴又に現れ、ひと騒動。
マドンナに惚れて、フラれて、旅に出る。という
この後、四半世紀も続くことになる寅さんシリーズの原型がある。

【寅酒シーン】
やきとりや
(蒲田の焼き鳥屋)

初代マドンナ、御前様のお嬢様冬子(光本幸子)が
オートレースで買った賞金を手に寅さんと焼鳥屋へ。
女将が一人で切り盛りしていて
カウンター越しに目の前の客と会話ができる。
焼鳥をアテに日本酒を呑む。
自分としてはイチバン理想的な環境。


【好きなシーン】
うえのえきしょくどう
(上野駅構内の食堂)

兄貴と慕う登に、
「バカヤローッ、俺みてえになりてぇのかッ!」
「とっととここから出てけーッ!」
寅さん、登のことを思ってこその別れ。
泣きながら残ったラーメンを口いっぱいにほおばる。
第1作の寅さん、威勢がよく、かなりのヤンチャ男で
登を怒鳴りつけるシーンは迫力がある。

【ラストシーン】
別れたはずの登と天橋立 知恩寺(京都)でタンカ売。

(1969年8月公開)








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テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

tag : 男はつらいよ 寅さん

10月吉日 京都、倉敷

鴨川
久しぶりに京都へ。
1日目、同行の家族たちとは別れて
河原町、先斗町、鴨川から東大路と京都の町をぐるぐる歩いた。
京都へ来るたびに、かつて大阪で暮らしていた頃の思い出のかけらを探す。

くらしき
2日目、本来の目的、母の一周忌のために
早朝、大阪から迎えに来た弟と
ホテルで合流、倉敷へ向かう。
墓前に線香をあげて夕刻には京都へ戻る。

のみや
さて夕食はというか、どこで呑むかと…、
人気の少ない路地を探しながら
京都らしい一軒家の佇まいの『ここら屋』へ。
1年ぶりに家族をとともに兄弟で日本酒を呑む。

石庭スケッチ

石庭
3日目、
今回の2番目の目的、
龍安寺でスケッチを描くこと。
描いてると海外からの観光客に加えて
小学生の団体がゾロゾロと入ってきて
かなり騒がしくなった。
ゆっくり眺めていたかったが
あまりの喧騒に席を立った。
引率の先生!
もう少し周りの人のことを考えて
静かに眺めることをおしえてほしい。


にんなじ
となりの仁和寺は、
焚かれている香をまといながら
ゆっくりと境内をまわることができた。


テーマ : 古寺巡礼
ジャンル : 旅行

tag : 京都 倉敷

10月吉日 横浜 新山下 『Seaside Garden』

ネオン

s3

本牧IGが、新山下にANNEXをオープン。
その名も、Seaside Garden。
久しぶりにYAGIさんの顔を見にIGへ行くと
ジュニアから新山下にいると知らされ、
チャリを漕いで海側へ向かう。
赤いコンバーチブルがここだよとおしえてくれた。

マスター

じつは若かりし頃から、海に面したこの地に興味を持ち
いつかこの地でやってみたいという思いを
長い間、胸の奥に温めつづけて
やっとこの秋オープンしたとのこと。
出店を決めてから、
人との出会いやいろんな偶然が
YAGIさんの引力に引き寄せられ、
コトがトントン拍子に運んだドラマを聴いた。

s1

ここの名前にもなってるSeasideテラスからの眺めがいい。
目の前を行き交う船の灯りが海面をゆらす。
オブジェのような高速のフォルムがまた横濱っぽい。
横浜の隠れた夜景スポットとなりそうだ。

テーマ : 横浜!YOKOHAMA!
ジャンル : 地域情報

tag : 本牧 IG

自己紹介

ともぞう(いけだふみのり)

Author:ともぞう(いけだふみのり)
1本のエンピツと
紙きれがあれば、
人を描く。

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