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男はつらいよ第38作『知床慕情』

マドンナは第32作以来、
2回目の登場となる竹下景子(りん子)。
その父親、順吉役が黒澤映画には欠かせなかった
世界のミフネ。

舞台は北海道。
札幌の大通り公園で啖呵売をする寅さん。
第35作でリリー(浅丘ルリ子)とひと芝居打った
傑作シーンが思い出される。
釧網本線の札弦(さっつる)駅前で
順吉に出会いドラマが始まる。

(スケッチ:ウトロ港)
知床の風景に知床慕情が流れる。

知床慕情

この順吉と近所でスナックを営むママ(淡路恵子)との関係が軸となる。
順吉に恋の指南役をするのが寅さん。

シリーズも後半になると、
大人のカッコ良さを見せる場面が増えてきた寅さん。
順吉が抱えてる課題、父と娘、男と女、
それぞれの間を取りもつこととなる。
ただし、いざ自分のこととなるとなかなかそうはいかない。


(1987年/昭和62年 8月公開)

テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

tag : 男はつらいよ 寅さん 知床

男はつらいよ第37作『幸福の青い鳥』

第8作で寅さんを「車先生」と呼び尊敬していた
旅まわり一座の看板娘、
大空小百合(芸名)がマドンナ。
ただし、大空小百合役はあの女優ではなく志穂美悦子。

はぎからでんわ
(下関 忌宮神社からとらやへ電話をする寅さん)

ポンシュウを伴って萩から下関に、
そして福岡へ渡る寅さん。

あかまじんぐう
(下関の赤間神宮で鳩笛を売る寅さん)

飯塚の嘉穂劇場で贔屓にしていた
一座の座長の死を知り、直方を訪ねる。
そこで成長した座長の娘、美保(大空小百合)と
何年ぶりかの対面することになる。

東京へ帰る寅さんを見送る美保。
日田彦山線の田川井田駅ホームがいい。
ホーム越しに炭鉱の名残をとどめた高い煙突が見える。

上京した美保が画家志望の青年(長渕剛)と出会い、恋仲になる。
そこでの寅さんの大人対応がいい。


(1986年/昭和61年 12月公開)

テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

tag : 寅さん 赤間神宮 下関

男はつらいよ第36作『柴又より愛をこめて』

(スケッチ:会津高田駅)
国鉄只見線の会津高田駅で夢から覚め
便所へ駆け込む寅さん。
駅舎が渋い。

第33作で結婚したタコ社長の娘、あけみ(美保純)が
家出したことからドラマが始まる。

あけみと下田から式根島に渡った寅さん。
マドンナとして第4作以来2回目の登場となる
栗原小巻(小学校の先生/真知子)に出会う。

大浦かいがん

島内を案内してたどり着くのが大浦海岸。
はるか海の向こうを眺めながら
「寂しくなるといつもここにくるの」
「もう若いとは言えない歳になってしまった…」
島で暮らし続ける孤独を真知子が語る。
今作の名シーン。

あけみは純朴な島の青年と出会う。
しきねじま
(あけみが乗った本土に帰る船を見送る青年)



(1985年/昭和60年 12月公開)



テーマ : 鉄道の旅
ジャンル : 旅行

tag : 男はつらいよ 寅さん 柴又

男はつらいよ第35作『寅次郎恋愛塾』

maitaeki

上田電鉄別所線、
舞田駅ホームで夢から覚める寅さん

gotou

寅さんとテキ屋仲間のポンシュウ(関敬六)が
長崎から五島へ渡る。
そこでひとりのおばあちゃん(初井言栄)を助けたことから
マドンナ、若菜(樋口可南子)との縁が始まる。
のどかな海、寂れた船着場、旧い家並み、
五島の景色に癒される。
本土とは趣の違った教会があちこちにある。

yushoku

おばあちゃんにとっては
最後の晩餐となった夕餉の席で
芸達者なポンシュウが見せる余興が面白い。

若菜に思いを寄せるのが
弁護士を目指す民夫(平田満)
いままでにもなんどかあった
寅さんがキューピットとなって
マドンナを慕う男のために
ひと肌脱ぐという展開。


(1985年/昭和60年 8月公開)

テーマ : 鉄道の旅
ジャンル : 旅行

tag : 男はつらいよ 寅さん 五島 ローカル線

男はつらいよ第34作『寅次郎真実一路』

うえのさかば
上野の居酒屋で知り合ったサラリーマン、
それが米倉斉加年(富永)。
その奥さんが第22作『噂の寅次郎』以来の
マドンナ大原麗子(ふじ子)。

失踪した富永を探しに
ふじ子と共に鹿児島へ。
富永の故郷、枕崎周辺の家並みがいい。
丸木浜の海岸もおだやかで癒される。

やっとみつけた手がかりも途絶えて
宿に着き、富永のことを語り合う二人。

「俺は汚ったねえ男です」
ふじ子への思い持った自分を戒めて部屋を出る。
第34作ともなれば、
マドンナとの関わりも大人対応の寅さん。

(1984年/昭和59年 12月公開)

テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

tag : 男はつらいよ 寅さんスケッチ

男はつらいよ第33作『夜霧にむせぶ寅次郎』

ししおどり
(岩手県/盛岡 鹿踊り)

今作、渡世人として生きる
車寅次郎の侠気が十二分にでている。
マドンナはフーテンの風子(中原理恵)。
風子とひとときの縁をもつ男がトニー(渡瀬恒彦)。

のぼるのみせ
(昭和感たっぷり、登の店の風情がいい)

盛岡で、かつて舎弟だった登に再会。
堅気として暮らす小さな店に招き入れ
精一杯のもてなしの仕度をする登に、
お前にいまは堅気の身分ですからと追い返されても
俺はすみませんでしたと言って引き取らなきゃならねんだ。
堅気として生きることの軸を諭す。

寅さんといっしょに旅をしたいと願う風子に、
自分の人生を省みながら、
「ふと気づいてみると…いい年こいて
渡世人稼業やってんのは俺みてぇな馬鹿ばっかりだ」
一生懸命働いて所帯をもつことの大事さを説き、断る。

旅先で知り合った男(佐藤B作)がとらやを訪ねてくる。
風子が助けを求めに来たのを断ったことを知り
「田舎出の小娘が金に困って心細い思いをしてるんだぞ!」
どうして有り金全部渡してやることができねんだと怒り追い返す。

風子と暮らすトニーを呼び出し
風子から手を引けと迫る。
トニー「女のことで人に指図されたかねぇな」
寅さん「あの子はヤクザな女に見えるけど
    本当はまともな娘だ」
抗うトニーに頭を下げて頼む寅さん。
「兄さん、見かけによらず純情ですね」
トニーが捨てゼリフを吐いて去る。

喧嘩最強と云われた渡瀬恒彦と
車寅次郎そのものの渥美清。
ここの二人のやりとりには緊張感がある。


(1984年/昭和59年 8月公開)

テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

tag : 男はつらいよ 寅さん 渡瀬恒彦

男はつらいよ第32作『口笛を吹く寅次郎』

オープニングで寅さんのバックに見える
備中国分寺の五重塔が懐かしい。
高梁川の渡しも子供の頃、乗ったおぼえがある。
倉敷出身者として、このあたりはなじみのあるところ。

寅さんが博の故郷、高梁へ。
博の父(志村喬)の墓前に立ち、語りかける。
「葬式には来れなかったんで
 いまごろやってきた」
第8作の二人で語り合ったシーンが思い出されて寂しい。

こうしゅうでんわ

そこのお寺の和尚が2代目オイちゃんの松村達雄。
娘がかつてお嫁さんにしたいナンバー1女優だった竹下景子(朋子)。

旦那さんの写真家とは昔、下北沢のある呑み屋で
何度かお話しをしたコトがあった。

その朋子がお婿さん候補として
寅さんを思うまさかの展開。
第11作第15作第25作のリリー、第28作の光枝、第29作のかがり、と今作、
このところの寅さんモテる、
マドンナから慕われる展開が多い。

しぶやえき
朋子の弟、中井貴一(一道)と
杉田かおる(ひろみ)の
もう一つのラブストーリーも同時進行する。
ひろみが一道を追って上京するシーンで
懐かしいかつての渋谷駅周辺が映る。
国鉄という表記、緑一色の山手線、
いまや海外からの観光客であふれている
インスタスポットになったスクランブル交差点、
時の流れを思い知らされる。


(1983年/昭和58年 12月公開)

テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

tag : 男はつらいよ 寅さんイラスト

男はつらいよ第31作『旅と女と寅次郎』

31作

今作のマドンナは都はるみ。
京はるみという演歌歌手の役だけど
最後まで、都はるみそのまま。

鼻歌で歌う
●矢切の渡し●佐渡おけさ
スタジオ収録で歌う
●惚れちゃったんだよ
とらやの茶の間でタコ社長が観てるテレビ画面で歌う
●涙の連絡船
とらやの縁側で町内の人たちを前に歌う
●アンコ椿は恋の花
最後のステージで歌う
●おんなの海峡
はるみ節がたっぷりと楽しめる今作は
寅さんシリーズの中でも異色作。

スターゆえに一人の女性として生きられない
辛さからの逃れて新潟の船着場で佇むはるみ。
そこで寅さんと知り合い
佐渡へ渡りひとときを過ごす。

今作の寅さんは、いい顔してる。
「わけのありそうな女の一人旅、
 くどくど身の上話を聞くほど野暮じゃねえよ」
佐渡の宿ではるみが悩みを打ち明けるシーン。
とくに、とらやを訪ねてきたはるみを見つめるときの顔は
全48作の中で一番と言ってもいいくらいの顔つきになっている。

(1983年/昭和58年 8月公開)

。。。。。。。。。。。。。。。。
都はるみはいままでにも
歌で登場している。
第14作『寅次郎子守唄』
佐賀県呼子の船着場で寅さんとダンサー(春川ますみ)が
アンパンをほおばりながら語るシーンに流れる『あなたの港』
第27作『浪速の恋の寅次郎』
寅さんが芸者ふみ(松坂慶子)の生き別れた弟を探し訪ねる。
大阪新世界を歩くシーンに流れる『大阪しぐれ

なんといっても、大阪しぐれがいいなぁ。

テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

tag : 寅さんスケッチ 都はるみ 大阪しぐれ

男はつらいよ第30作『花も嵐も寅次郎』

しょうてんがい

今作のマドンナは田中裕子(蛍子)。
その蛍子に恋をするのが、
この共演がきっかけで後に結婚する沢田研二(三郎)。
寅さんは三郎を応援するキューピットとしての役回り。

谷津遊園の観覧車で二人が思いを確認し合うラブシーンは
役としての蛍子と三郎というよりも
撮影中のどこかで二人が惹かれ合い
リアル恋愛に発展してく
田中裕子と沢田研二の
ある種、ドキュメンタリーにも見える。


「やっぱり二枚めはいいなぁ…
 ちょっぴり妬けるぜ」

二人の恋愛が成就したことを知り旅にでる寅さん、
寂しげな表情でさくらにこぼす。


(1982年/昭和57年 12月公開)

テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

男はつらいよ第29作 『寅次郎あじさいの恋』

登場するマドンナのうち何人かは
寅さんに思いを寄せるも実ることはなく、
結果、寅さんがふられたかっこうで話しが終わる。

その一人、かがり(いしだあゆみ)。
ふとした縁で寅さんが
京都の陶芸家、加納作次郎(片岡仁左衛門)と知り合う。
そこでお手伝いをしていたかがり、
かつて恋仲だった陶芸家の弟子にふられて
京都は伊根の実家に帰る。

いねにて
そんなかがりを気遣い
実家を訪ねる寅さん。
「…誰を恨むってわけには
 いかなねえんだよね、こういうことは…」
船屋のあるのどかな伊根の海をバックに
語り合うシーンがいい。

ふなつきば

この「寅次郎あじさいの恋」は
後半は喜劇じゃなくシリアスに展開していく。
とくに伊根での一夜は
シリーズの中でもめずらしく
マドンナが寅さんに生っぽく迫る。
かがりとは、ここ伊根での別れ、
江ノ島での別れと二度の別れをすることになる。

せつなく響く♪かがりのテーマ(マンドリンの音)がいい。

ラストシーン、寅さんが彦根で啖呵売をしている。
「神田は六法堂…」と
瀬戸ものを手にいつもの口上のあと
「聞いて驚くな」
「人間国宝加納作次郎の作品だ!」
「…1万でどうだ!」
そこに一人の男から声がかかる。
「買うた!」
加納作次郎本人だった。
「1万円は高うないか…」
ここでの二人のやりとりがいい。
片岡仁左衛門の柔らかい関西弁が
ほっと和ませる。

シリーズの中で最も好きなラストシーン

(1982年/昭和57年 8月公開)


テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

tag : 男はつらいよ 寅さんスケッチ いしだあゆみ

自己紹介

ともぞう(いけだふみのり)

Author:ともぞう(いけだふみのり)
1本のエンピツがあれば、
人を描く。町を描く。

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