FC2ブログ

ジャック&ベティ『かぞくのくに』

(2012年9月のスケッチをリニューアル)


休日、チャリにまたがり『ジャック&ベティ』へ。
先週末からヤンヨンヒ監督の『かぞくのくに』がかかっている。
『ディアピョンヤン』『愛しのソナ
ドキュメンタリー2作のあとに続く3作目。
初のエンターティメント映画ながら
内容は監督自身のドキュメンタリーがベースになっている。

1959年に、北朝鮮が始めた帰国事業で
ピョンヤンに渡り日本で暮らすことが
赦されない兄を思う妹の哀しみ、腹立たしさ、
もどかしさが伝わってくる。
妹役の安藤さくらはヤンヨンヒそのものだ。

べてぃ

映画が終わってのティーチインが面白かった。
しゃべりだすとだれにも止められない
無敵の大阪オバちゃん的なヤンヨンヒ監督。

「思考を停止するとうどういうことですか」
兄が妹に放ったセリフについて観客からの質問に
「思考を停止するとは、
 停止してないから言えることです」
監督は的確に応えた。

話しの一字一句をそのまま本にできるくらい、
言葉に無駄がない。
ついつい引き込まれていった。

今月の27日まで上映が延長されたことを
館長が最後に伝えていた。

続きを読む

テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

tag : ジャック&ベティ かぞくのくに

1月17日(火)『ブルーに生まれついて』

blue
とにかくかっこいい。
このチェット・ベイカー役はイーサン・ホーク以外に思い浮かばない。
まさに適役。
映画の中で進行するモノクロームの伝記映画がいい。
できればずっとそっちの方で観たかった。

23、4歳のとき、
新宿西口がまだ空地だらけだった頃
野外ライブでマイルス・デイビスを聴いた。
前から2番目の席だった。
それがきっかけで少しジャズを聴くようになった。

あるときジャケ買いしたのが『Chet Baker Sings』
とくにMy Funny Valentineがいい。
…ていうかこれしか知らん。
『リプリー』でもマットディモンが唄うシーンがある。
野毛のある呑み屋の有線でよくかかってた。
雨のしとしと降る夜、囲炉裏のある席で干物を炙りながら
ジャズの音と雨の音を空気にして
日本酒を呑むひとときは至福だった。

で、話を戻すと
人気絶頂の若きチャラ男、
チェット・ベイカーが年を重ね
ウヰスキーが樽の中で熟成していくように
破滅に向かって堕ちていく。それに抗うように
痛々しくペットを吹き続けるかっこいい映画。
再起をかけたライブのシーン、
「BORN TO BE BLUE」のセリフで終わる。
エンドロールまで黒バックに白文字とBLUEだった。
タイトルも原題のまま『BORN TO BE BLUE』でよかったのに。



ジャック
(2017年1月17日_シネマジャック&ベティ)
ブルーに生まれついて



テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

tag : チェット・ベイカー 映画スケッチ 黄金町

11月28日(月)『ある天文学者の恋文』

「エディンバラで待ってる」
亡くなったはずの彼から1通の手紙が届く。

天文学者の彼と、教え子の彼女のラブストーリー。
ホテルの一室での二人のラブラブシーンから話が始まる。
旅立つ彼をホテルの窓から見送った数日後、
大学での授業中、彼から届くいつものメールを読んでいるところへ
その彼が数日前に亡くなっていたことを知らされる。

こいぶみ

突然の訃報に自分を見失っている日々。
手紙のメッセージに誘われるまま、
二人の思い出の地を訪ねていく。
その先々で行動をそばで見てるかのような
彼からのリアルな伝言が次々と送られてくる。
冒頭からのミステリー展開に惹きつけられていく。

マジックは種明かしをしないうちが楽しい。
彼女の立場で謎を解きながら見ていくうちに、
種がだんだん見えてくると
男としては立場が逆転して彼の目線で
彼女をみつめている。

しばらく続くミステリーな展開、
ラストでの温かい幕の引き方など
『ニューシネマパラダイス』『鑑定士と顔のない依頼人』を
手がけた監督らしい流れで楽しめた。

彼を探し訪ねるエディンバラの石畳の街並みがいい。
湖に浮かぶサンジュリオ島の景色がまたいい。

ポスター
(2016年11月28日 シネマ ジャック&ベティ)
ある天文学者の恋文



テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

tag : ある天文学者の恋文 ジャック&ベティ 黄金町

9月23日(金)『ラスト・タンゴ』

ラストタンゴ

「タンゴのために生まれ
 タンゴのためにに死ぬ」
       マリア・ニエベス

御歳82歳、伝説のタンゴダンサー、マリアを軸にした
ドキュメンタリー。
ペアを組んで50年というマリアとファン。
タンゴ界では伝説のタンゴペアと云われてるらしい。
ふだんの生活ぶりは老いて見えても
いざステージに立つと颯爽とした
体のラインで踊る、現役のマリア。
女は強し。
男と女が一騎打ちしてるような
キレのある緊張感。
この映画が女優デビューという
若い頃のマリア役の女優もよかった。
ヴィム・ヴェンダース製作総指揮ということで
どこか『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ 』を彷彿させる。
見終わった後も頭の中をバンドネオンのメロディが流れる。

30年くらい前にちょっとしたタンゴブームのような時があった。
アルゼンチンから来日したタンゴチームを新宿の厚生年金ホールで観た。
その中にマリアとファンがいたかどうかはわからない。




タンゴ
(2016年9月23日 シネマ ジャック&ベティ)
ラスト・タンゴ

ジャック&ベティともにシートが一新されて
体が包まれるような心地よさで、背もたれも高くなり
座高の高い自分としてはありがたい。
姿勢を何度も変えることなく
ゆったりと映画が愉しめるようになった。

テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

tag : ラストタンゴ 黄金町 ジャック&ベティ

6月9日(木)『オマールの壁』

オマール

立ちはだかる不幸の壁。
1本のロープで壁を這い上がる主人公オマール
友人、彼女に会うために
壁を越えて行き来する日々。
この1本のロープが絆の象徴になってる。

生きるために友を裏切るのか。
生易しい友情論なんてどこにも入る余地のない
自由なんて言葉すら意味をもたないパレスチナの現実。
安穏と生きてる自分には想像できない。
最後までドキュメンタリーを観てるような緊張感が続く。

嘘をつくことってかなりのエネルギーがいる。
嘘を貫き通すためにさらに嘘を重ねていくことになる。
最後、オマールにとって
赦しがたい哀しい嘘を知り
おとしまえをつける。




かんばん
(2016年6月9日_シネマジャック&ベティ
オマールの壁



テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

tag : オマールの壁 シネマジャック&ベティ 黄金町

5月29日(日)『すれ違いのダイアリー』

すれちがい

電気も水道もない、
ケータイも届かない、
そんなタイの僻地。
湖上に浮かぶ筏のような水上小学校が舞台。
一冊の日記をきっかけにドラマが始まる。

ここに赴任した出会うはずのない
前任の女教師と後任の男教師。
ひとつの空間で時間軸の違う
ふたつのドラマが同時に進行していく。

見知らぬ同士の
男と女が好いて惚れて
歯がゆいくらいにすれ違いながらも
想いをつのらせ、妄想していく、
ワクワクドキドキ感。
恋愛の過程でいちばんおいしい時間。

。。。。。。。
現実はここをピークにして
気がつかないくらいの
ゆる~い下降線をたどりながら
日常になっていくんだなぁ〜。
ときに、一気に転げ落ちることもあるけど。
。。。。。。。


大都会ニューヨークを舞台の
『ユー・ガット・メール』もいいけど
タイのへんぴな田舎の湖上に浮かぶ
水上小学校のロケーションがいい。
メールじゃなく手書きの日記がいい。
ちょっと風吹ジュン似の女教師が
可愛くていい。
男教師がイケメンじゃないのもいい。
つい応援してしまう。



ダイアリー看板
(2016年5月29日 シネマ ジャック&ベティ)
すれ違いのダイアリー



テーマ : アジア映画
ジャンル : 映画

tag : 黄金町 ジャック&ベティ すれ違いのダイアリー

4月30日(土)『孤独のススメ』

こどくのすすめ

メインビジュアルの
電車の中に男が佇む絵と
『孤独のススメ』そのタイトルにひかれた。
ジャケ買い。

いつもの時刻キッカリに食事を摂り
いつものバスに乗る。
そしていつもの道を歩く。
自分の決めごとに縛られてることで
希望のない平穏を感じていた主人公。
ひょんなことから得体の知れない男と
共同生活することになる。

はじめ想像していた内容からは
どんどんかけ離れ、
わけの分からん方向へ話しは進む。
なかなか受け入れがたい
すっとぼけた展開が続き
えっ、ついにそこ…、
どうやって決着をつけるんだろう…と
最後まで飽きさせなかったけど。

(2016年4月30日_シネマ ジャック&ベティ)
『孤独のススメ』





テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

tag : ジャック&ベティ 黄金町

5月2日(月)『さざなみ』シャーロット・ランプリング

さざなみ02

嫉妬。
女ヘンがふたつ。

夫の50年も前の恋人の存在にゆれる妻、
シャルロットランプリングが
タバコを吸うシーンがカッコいい。
元々、モデルだけあって
首から背中、脚線にかけてのラインが美しい。
『愛の嵐』『スイミングプール(57歳)』で魅せたエロス健在。
70にして、セクシーさ衰えず。

結婚45周年のパーティの席で夫が涙ながらに
妻への感謝と思いを語り、
二人の記念の曲プラターズ『煙が眼にしみる』でダンスを終え
さざなみもやっと静まりメデタシメデタシかと…思いきや
つないでた夫の手を邪険に振り払うシーンには笑った。
このスリラーのような温度差、岩をも通すか。

主人公の夫と同様、私も20代の頃、
仲良くさせていただいた女子の写真は
大切にどこかの引き出しの奥にしまっています。


ベティ
(4月16日 シネマ・ジャック&ベティ)
『さざなみ』



テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

tag : 黄金町 ジャック&ベティ さざなみ

6月吉日 横浜 ジャック&ベティ

サスペンス

「世界が息を吞む極上のサスペンス」
このひと言に釣られてジャック&ベティへ。

館に着くといままで見たこともない混雑ぶり。
きょうは6月1日(日)映画の日、1000円で観れる。
切符を買うとともに整理券をもらう。
なんと、102番。
開館の時刻、列に並んで
誘導されるまま館内に入るもほぼ満席。
一番前の1列しか空いてない。
真ん中あたりに席をとった。

予定時刻、
館内が暗くなり大阪朝高ラグビー部の
ドキュメント映画の予告編から始まった。
観てるうちに、あまりにも長い…、
しかも予告編にありがちな
あおりのキャッチコピーとかが画面にドーンと出てこない…、
もしかして…、これは予告編じゃない、と気づいた。

ジャック&ベティは二つの映画館で成り立っている。
お目当ての映画はジャックではなくベティの方だった。
ただし、この『60万回のトライ』はそれはそれで面白かった。
食堂で、オムライスを頼んだら
ビビンパが出てきたような
残念だけど旨い。

。。。。。。。。。。。。。

1週間後の日曜日、
再びジャック&ベティへ。
余裕。というかガラガラ。
館内

『ある過去の行方』
やっと観ることができた。




テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

tag : ジャック&ベティ

4月23日(土)『愛しのソナ』

そな

ヤン・ヨンヒ監督にとってディアピョンヤンに続く
2作目『愛しのソナ』。
日本人でもあり、韓国人でもある。
在日2世というポジションから
監督が幼い頃、北朝鮮が国策として進めた帰国事業を受けて
舞鶴港から北朝鮮に渡ったお兄さんたち、
大阪生野の実家でその息子たちを思う両親とを
家族の視点で見つめつづけた
ドキュメンタリー。

ジャック
(ジャックアンドベティ)

上映後の舞台挨拶での
しっかり客を掴んで笑わす
大阪のオバちゃん的なトークも面白かった。

続きを読む

テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

tag : ヤンヨンヒ 愛しのソナ ジャック&ベティ 黄金町

自己紹介

ともぞう(いけだふみのり)

Author:ともぞう(いけだふみのり)
1本のエンピツがあれば、
人を描く。町を描く。

いままでの日記
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブログ内検索
リンク
Thanks