『駅 STATION』桐子篇

健さん
(1981年11月公開_2016年5月5日、BS1にて視聴)

季節は冬、北国。
雪がしんしんと降る中、
赤ちょうちんがぼんやり灯る。
和服姿に割烹着の女将が一人で切り盛り、
(欲を言えば相田翔子似)
客は自分一人だけ。
燗酒の湯気が小さく立ち
ラジオからは八代亜紀の舟歌がモノラルで流れている。
小鉢のイカと里芋の煮物をつつき、燗酒を煽る。
お互いの事情を小出ししながら
酔いとともに、ゆっくりと距離が縮まっていく。
(書いてて恥ずかしくなるくらいの設定)

そんな一度、体験してみたい
絶好のシチュエーションで
三上(高倉健)と桐子(倍賞千恵子)の二人が
出会い、くっついたり、離れたりしながら
ドラマが展開される。

呑み屋の女将、倍賞千恵子。
同じ頃、『男はつらいよ』では
さくらをも演じている。
まさに『昼顔』。


テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

『駅 STATION』 直子篇

健修正版
(1981年11月公開_2016年5月5日、BS1にて視聴)

健さんテンコ盛りの映画。
健さん好きとしては何べん見ても飽きない1本。
セリフ一つない、妻・直子(いしだあゆみ)との
切ない別れのシーンから始まる。

円谷幸吉。
1964年10月、東京オリンピック。
前回ローマの覇者アベベが
国立競技場、6万の大観衆の前に現れた。
それを追って円谷、続いて英国のヒートリー。
ゴール直前のデッドヒートで円谷は抜かれて3位に終わった。
当時、小学校4年生だった私は
悔しい思いでその光景を
自宅の白黒テレビで見ていた。

1968年1月、メキシコオリンピックまであと277日。
日の丸を再びと期待された円谷選手の訃報に日本中が驚いた。
本編では射撃でメキシコオリンピックを目指す
警察官三上(高倉健)たちが食堂でメシを食ってるところへその訃報が流れる。
雪が降りしきる函館本線銭函駅にたたずむ三上。というか高倉健。
そこに円谷選手の遺書(ナレーション)が流れる。

「父上様母上様 三日とろろ美味しうございました」
で始まるその遺書には
円谷選手の愚直なまでの生真面目さが文面ににじみ出ていた。
家族、友人知人たちに謝罪と感謝の言葉が続き、
「幸吉は、もうすっかり疲れ切ってしまって走れません」
「幸吉は父母上様の側で暮らしとうございました」
こんな哀しい手紙はない。
始まったばかりで、泣かされる。
しかも本編とはさほど結びつきがあるわけでもないのに。
今まで何度か観てるけど
ここでこんなに立ち止まることはなかった。

円谷選手が亡くなって4年後の1972年、
ピンクピクルスが唄った。
一人の道
深夜放送のMBSヤングタウンで初めて流れ
翌日、クラスでも話題になった。

※自ら命を絶った最期のとき、
 首には東京で獲得した銅メダルをかけていたという話しです。






テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

tag : 高倉健

昭和残侠伝

高倉健

「あんさんにゃ、
恨み辛みはござんせんが
渡世の義理でお命頂戴します」
花田秀次郎(高倉健)が
渡世の義理を果たすところから
物語が始まる。

服役を終えて、娑婆に戻ると
世間の様子が変わってる。
いろんな仕打ちを受けるも、
耐えに耐えぬいて
ついに堪忍袋の緒を切って立ち上がる。

長ドス片手に、独り敵陣へ向かう。
途中、池部良が助っ人として待っている。
ここで侠気と侠気の短いやりとりがある。
「健さんッ!」と客席から声がかかりそうな瞬間。
ここがこの映画のひとつのピーク。

小雪の降る中、肩を並べて歩く背中に
エンコ~生まれの浅草育ち~♪)と主題歌が流れる。
敵陣にに殴り込み、
首領に向かって啖呵を切る。
「てめぇのようなヤツぁ、生かしちゃおけねぇッ!」
背中の唐獅子が吠える。

このシリーズ、
明快な様式美のような展開に
勧善懲悪な結末。

見終わって映画館を出ても
義理〜と人情〜♪)主題歌が頭の中をめぐり
しばらくは高倉健と自分が一体化していた。

昭和40年から昭和47年にかけて
9本作られた『昭和残侠伝』
健さんの出世作。


テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

『天国と地獄』

天国と地獄です
(昭和38年/1963年公開)

何回見ても飽きない映画のひとつ、『天国と地獄
とくに誘拐犯(山崎努)が
『根岸家』でヘロインの売人と落ち合う
ここのシーンがいい。

不夜城『根岸家』で
南国風の無国籍音楽をバックに
米兵、やくざ、愚連隊、娼婦が
イキイキとして映っている。
その喧噪の中に
船乗り、愚連隊に扮した警察が
誘拐犯をぴったりとマークしている。

サングラスのキラリとした光が効いている。
誘拐犯の孤独感と緊張感が伝わってくる。

この『根岸家』はセットで再現したものだと
しばらくして知った。

テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

tag : 天国と地獄

『霧笛が俺を呼んでいる』

霧笛試作
(昭和35年/1960年7月公開)

友人の裏切り、別れ。
海へ還る男(赤木圭一郎)と
平凡に生きることに決めた女(芦川いづみ)。
波止場を歩くラストシーン、
お互い、淡い思いを寄せ合いながらも
立ち止まり、向き合い言葉を交わす。
「さよなら」
「ごきげんよう」
握手を交わし
男はくるりと背を向け
霧の中に消えていく。
そこへボーッと霧笛の音がかぶり
♪〜霧の波止場に~♪
いまだと滑稽に思えるほどのクサさ
ありえない気障なやりとりが
カッコ良く見えた時代。
日活黄金時代の1本。

テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

tag : 赤木圭一郎

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ともぞう(いけだふみのり)

Author:ともぞう(いけだふみのり)
横浜野毛と渋谷のんべい横丁を
ホームグランドとしてのんべいな日々をスケッチしてます。

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