男はつらいよ第28作 『寅次郎紙風船』

この柴又駅での別れがいくつかある中、
これほど切ないシーンはない。

「俺が死んだら、女房を嫁にしてやってくれ」
テキ屋仲間が遺した言葉。
未亡人となった光枝(音無美紀子)に
すっかり本気で結婚モードになってる寅さん。
『とらや』を訪ねてきた光枝を柴又駅まで送る。
亭主から「もしオレが死んだら、寅の女房になれ…」と
云われたけど
「寅さん、約束したの?本気で」と光枝が訊く。
ここに迷いの間がある。
「…適当に相づち打ったのよ」とぼけた寅さんの応えに、
目線を落とし、小さく頷いて
「じゃあよかった… ごめんね…」と
安堵と落胆が入り交じったような表情の光枝。
この流れに身を任せるのもいいかという思いが
光枝の中に芽生えてたようにも見えた。
(ここで流れる、♪光枝のテーマがいい)
光枝「じゃ、さよなら」
寅さん「うん、気をつけてな」

紙風船
(昭和56年/1981年12月公開)

「正月は、どこで稼ぐの?」
駅に向かう光江が振り向きたずねる。
寅さん「…伊豆か、駿河あたりか…」
光枝「…しっかり稼いでね」
あまりにも切ない別れの空気がかき消された。

状況を受け入れて光枝を見送る男、
寅さんの眼差しがいい。

●大字夜明久大本線 夜明駅
●杷木町
●甘木市 秋月
この映画で初めて知った
九州の田舎の風景がまた良かった。




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ジャンル : 映画

tag : 男はつらいよ

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はじめまして

素晴しいスケッチを拝見致しました。
お仕事に関係しているのでしょか。

お店で呑まれる人達の雰囲気を
巧みに描きだされていて感動です。

私、今は奥武蔵の山の中に住んでいますが
若いときには
台東区に暫くおりました。
多少は呑むこともありましたが
今は山の空気を飲んでおります。

よいものを拝見させて戴きまて
ありがとう御座いました。




奥武蔵の山人さんへ

コメントありがとうございます。

ブログ拝見しました。
素敵な環境ですね。

私は仕事がグラフィックデザインなので
昔は打合せとかでスケッチを描いたものでしたが
いまデジタル環境になってPCをたたいてる
ほうが多くなりました。




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ともぞう(いけだふみのり)

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1本のエンピツと
紙きれがあれば、
人を描く。

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